熱狂の京響=アクセルロッド「第641回定期演奏会」!

昨日と今日の京響は、
「第641回定期演奏会」の本番でした。

4月から首席客演指揮者に就任してくださる
ジョン・アクセルロッドさん指揮のもと、
ベートーヴェン「アテネの廃墟」序曲、
アンドレアス・ブラウさんの独奏による
バーンスタイン「ハリル」、
ショスタコーヴィチ交響曲第7番
「レニングラード」という
アクセルロッドさんこだわりのプログラムを
じっくりとお聴きいただきました!
こちらは、アクセルロッドさんによる
開演前の「プレトーク」から。
(英語通訳は小松みゆきさん)
「戦争」をテーマにしている
今回のプログラムについてや、
4月からは首席客演指揮者として
京響とさらに深いつながりを
持ってくださることなど、
たっぷりお話ししてくださいました!
(低く響くすてきなお声ですね~☆)

そしていよいよ本番。
まずはベートーヴェン「アテネの廃墟」序曲。
数千年の眠りから目覚めた女神が
トルコによる征服で廃墟となったアテネをみて嘆き、
ハンガリーへ逃れるという戯曲にもとづいています。
アクセルロッドさんがプレトークで
お話ししてくださったように、
ソクラテス、プラトン、アリストテレスなど
古代ギリシャの哲学者が語っているかのような
オーボエ・ソロが魅力的です♪
あまり演奏されない曲ですが、
生誕250年を祝うのにふさわしい
ベートーヴェンの傑作です。
続いて、アンドレアス・ブラウさんの独奏による
バーンスタイン「ハリル」。
ハープの柔らかなアルペジオとともに
独奏フルートが紡ぐ、美しく儚きメロディ♪
この作品はバーンスタインが音楽で綴った
戦死したイスラエルの若きフルーティストへの愛。
このフルーティストが味わった
戦争の恐怖や悲しみ、絶望、
そして抱いていた夢や希望、愛など、
さまざまな感情が夜のイメージ(ノクターン)で
描かれています。
オーケストラの中のアルトフルートとピッコロが
ブラウさんのフルート独奏に寄り添います。
打楽器セクションも大活躍!!
表現力豊かなブラウさんのフルートによって
見事に奏でられる究極のカデンツァ!!
アンコールのドビュッシー「シランクス」も絶品!
フルートの巨匠アンドレアス・ブラウさんにブラボー☆☆☆!
休憩をはさんで後半は、いよいよ
ショスタコーヴィチの交響曲第7番
「レニングラード」!!
1941年、第二次世界大戦中、
レニングラードがドイツ軍に包囲され、
爆撃が続き、食料なども断たれる中で
作曲をはじめたショスタコーヴィチは、その後、
危険なレニングラードを離れて
近郊の町でこの交響曲を完成しました。
レニングラード包囲戦は900日近く続き、
60万人以上の市民が亡くなったとのこと。
そのような極限状態の傍らで生まれたのが、
「レニングラード」交響曲!
第1楽章では、ラヴェルの「ボレロ」にそっくりな
“ショスタコーヴィチの「ボレロ」”が!
ステージ中央のフルート前で演奏する
スネアドラムのリズムに乗って、
「戦争の主題」が楽器を変えて繰り返され、
壮大なクレシェンドが展開されます!
第2楽章ではオーボエ・ソロが哀愁漂うメロディを歌います。
第3楽章は祖国ロシアの広い大地を讃えるコラール。
ロシアの冷たい空気のように凛と張りつめた、
雄弁なエレジーが印象的です。
そして、切れ目なくはじまる第4楽章では、
金管楽器のバンダとともに、
大編成のオーケストラが全身全霊を込めて奏でる
ホールを揺るがすかのような大迫力サウンドで
勝利のフィナーレが大炸裂~~!!
戦争への勝利と、戦争へ抗議する
ショスタコーヴィチの痛烈な叫びを、
マエストロ・アクセルロッドの鬼気迫る
エネルギッシュなタクトのもと、
京響メンバーが緊迫感あふれる
渾身の大熱演で表現します!!
これぞまさに、圧巻のショスタコーヴィチ!!
この熱狂的なフィナーレで今回のプログラム3曲に共通する
テーマが完結!「戦争」は廃墟をもたらすに過ぎない、
だから、"Make music, not war !"
マエストロ・アクセルロッド&
京響メンバーにブラボー☆☆☆!!!
終演後には、ホワイエで
アクセルロッドさん&ブラウさんの
スペシャル・サイン会も開催~♪
最後に、アンドレアス・ブラウさんと
京響フルートセクションの皆さん!
そして演奏後のジョン・アクセルロッドさんと
フルート独奏アンドレアス・ブラウさんの笑顔です。
感動のコンサートをどうもありがとうございました!!
(マエストロ・アクセルロッドの次回の登場は、
 9/6「オーケストラ・ディスカバリー2020 第2回」
 9/12(土)9/13(日)「第649回定期演奏会」ですので、
 これからの京響=アクセルロッドに乞うご期待!!)
そして今回も、2日にわたってご来場くださいました
たくさんの皆さまに深く感謝申し上げます!!

さて、次回の京響自主公演は、
2/14開催「第642回定期演奏会」です。
2018年6月定期以来、待望の再登場となる
マカオ出身リオ・クオクマンさんの指揮で、
プロコフィエフの交響曲第5番をお届けするほか、
2012年ハノーファー国際コンクール第1位、および
2015年チャイコフスキー国際コンクール第3位で
世界が注目する若きヴァイオリニスト
アレクサンドラ・コヌノヴァさんの独奏による
ラロのスペイン交響曲もお聴き逃しなく!

チケットは、京都コンサートホールほかで絶賛発売中ですので、
たくさんの皆さまのご来場をお待ち申し上げております♪

■京響第642回定期演奏会 公演詳細→