感動の下野竜也指揮「第638回定期演奏会」!

昨日と今日の京響は、
「第638回定期演奏会」の本番でした。

常任首席客演指揮者として
最後の定期演奏会ご出演となった
下野竜也さんの指揮のもと、
ブルックナーの弦楽五重奏曲から「アダージョ」、
ヤン・リシエツキさんの独奏による
モーツァルトのピアノ協奏曲第24番ハ短調、そして、
ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」という
とっておきの名曲プログラムを
じっくりお聴きいただきました!
こちらは、下野竜也さんによる
開演前の「プレトーク」より。
本日演奏する曲目から、
とりわけ「田園」交響曲について、
自然を愛したベートーヴェンへ敬意を込めて
たくさん語ってくださいました。
「田園」交響曲では、ブルックナーの交響曲に似て
同じモチーフが幾重にも折り重なって出てくるので、
まるで2017年に下野さん指揮で演奏した
アダムズ「ハルモニーレーレ」の
ミニマル・ミュージックに通じるものがある、等々、
とても興味深いお話をうかがうことができました。
そしていよいよ本番。
まずは、ブルックナー(スクロヴァチェフスキ編曲)の
弦楽五重奏曲から「アダージョ」。
心安らぐ、ブルックナーらしい敬虔で清らかな音楽です。
京響が誇る弦楽セクションの美しいアンサンブルが
やわらかく会場に響きわたります。
続いて、ヤン・リシエツキさんのピアノ独奏による
モーツァルトのピアノ協奏曲第24番。
(このハ短調のコンチェルトは、下野さんがヤンさんへ
リクエストされたそうです!)
リシエツキさんの繊細かつドラマティックな演奏により、
ハ短調のメロディが悲しくも美しい
モーツァルト晩年の深淵なこの名曲が煌めきます。
歌に満ちた第2楽章のラルゲットにはうっとり~♪
アンコールも、とにかく感動!!!
(9/21公演=シューマン「トロイメライ」
9/22公演=J.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」からアリア)
若き巨匠ヤン・リシエツキさんにブラボー☆☆☆
休憩をはさんで後半は、
ベートーヴェンの名曲、交響曲第6番「田園」。
標題がつけられた5つの楽章が
表情豊かに展開されます。
同時期に作曲された第5番「運命」とは、
一見、対照的な第6番「田園」交響曲ですが、
モチーフの繰り返しの技法など
似ているところがたくさんあるので、
本当は双子のような作品だとのこと。
下野さん曰く、「何気ない日常と幸せ」が
描かれているのが「田園」交響曲。
得られなかった幸せを、ベートーヴェンが
スコアの中で実現したのが、
この「田園」交響曲だったのだろう
と「プレトーク」でおっしゃっていました。
豊潤なハーモニーと美しいメロディが
何度も何度もたたみかけるように湧き上がり、
森林浴をしているかのごとく心地よいアルファ波が
じわじわとホールいっぱいに広がります♪
第4楽章の「雷雨と嵐」ではティンパニが大活躍!
(ベートーヴェンよりも上手く「雷雨」を音楽で表現した
作曲家はいないと下野さんがおっしゃっていました!)
また第4楽章からはトロンボーンが、
ステージ上手のひな壇の一番上に登場!
(トロンボーン=神!だそうです)
マエストロ下野の鋭敏で的確なタクトのもとで、
京響メンバーが豊潤な響きにあふれた
究極の「田園」交響曲を大熱演!!
最後は嵐の後のさわやかな田園の風景が描かれて、
マエストロ下野の常任首席客演指揮者としての
6年間の集大成となった今回の定期を
感動のフィナーレで締めくくることができました。
下野竜也さん&京響メンバーにブラボー☆☆☆
終演後は、会場のお客さまと京響メンバーから
下野竜也さんへの大いなる感謝の気持ちを込めた
拍手とブラボーが鳴りやみません!!
さらに今回は下野さんが常任首席客演指揮者として
最後の定期演奏会ご出演ということで、
9/21公演では、なんと広上淳一さんが花束を持って
ステージに登場されるというサプライズが~~!!!
広上さんから下野さんへ、
京響の指揮者を6年間務めてくださったことへの
心のこもった感謝のメッセージも!!
9/22公演では、京響楽団長である
京都市長 門川大作氏から、
京都市民と京響メンバーを代表して、
これからも京都市立芸術大学音楽学部指揮専攻の教授として
京都とつながりを持ち続けてくださる
下野さんへ感謝の花束と言葉が贈られました!
また、9月末をもって退団される
京響第2ヴァイオリン奏者の野呂小百合さんに、
下野さんから花束が!
野呂さん、約11年間、第2ヴァイオリン奏者として
京響を支えてくださり、どうもありがとうございました!!
そして最後は、平和を祈って特別にアンコールとして、
下野さんお気に入りのピアノ&歌による作品
プーランク「平和のためにお祈りください」を
下野さんご自身のオーケストラ編曲でお聴きいただきました☆

こちらはコンチェルト演奏後の下野竜也さんと
ヤン・リシエツキさん!
こちらは下野竜也さんと広上淳一さん!
そしてこちらは、下野竜也さんと京響チェロ軍団!!
(なかなか撮れない貴重な写真です・・・!)
下野竜也さん、6年間にわたる
常任客演指揮者および常任首席客演指揮者としての
素晴らしい音楽の感動と数々の名演、
本当にありがとうございました!!!
そして今回も、台風が接近中にもかかわらず
ご来場くださいました
たくさんの皆さまに深く感謝申し上げます!!

さて、次回の京響自主公演は、
10/11(金)開催「第639回定期演奏会」です。
オーストリアの重鎮ラルフ・ワイケルトさんの指揮で、
モーツァルトの「ハフナー」交響曲と、
ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」をお贈りします。
(なんと公演当日10/11はブルックナーの命日だそうです!)

チケットは、京都コンサートホールほかで絶賛発売中ですので、
たくさんの皆さまのご来場をお待ち申し上げております♪

【京響第639回定期演奏会】公演詳細→