昨日、今日の京響は「第629回定期演奏会」でした!

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日本フィル桂冠指揮者兼芸術顧問のアレクサンドル・ラザレフさんを指揮にお迎えしてお贈りした今回の第629回定期演奏会。グラズノフ:バレエ音楽「四季」op.67とボロディン:交響曲第2番ロ短調というロシア音楽をご堪能いただけるプログラムをお贈りいたしました。

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開演前のプレトークでは、
「今回取り上げる二人の作曲家はともにアレクサンドルという苗字を持っていますが、(アレクサンドル・グラズノフ、アレクサンドル・ボロディン)アレクサンドルという苗字は19世紀ロシアの皇帝の名前です。そして、実は私の苗字も同じくアレクサンドルです。秘密ですよ。」とロシアンジョークで会場の空気を和ませてくれたラザレフさん。ボロディンの作品の魅力や、グラズノフのバレエ音楽「四季」の 冬→春→夏→秋 と進む構成についてお話しいただきました。

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そして開演!グラズノフ「四季」の、冷たい風が吹くような寒さを連想させる「冬」からスタート!
「冬」でありながらもバレエ音楽らしく、どの曲もまさにバレエダンサーが躍る姿が目に浮かぶ、軽やかで華やかな響きです。
そして、ハープの美しい音色とともに「春」が訪れ、穏やかな「夏」に続きます。

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どこかお祭りらしい雰囲気を感じさせるリズムで幕を開けるのが「秋」です。バレエでは、収穫を祝う盛大なバッカナール(酒宴)の場面だそうです。
随所で「冬」「春」「夏」の旋律が繰り返されながら、締めくくりは華やかに、豊饒を祝う祝祭のアポテオーズでフィニッシュ!

ロシアの気候といえば、長く厳しい冬が思い出されがちですが、その気候だからこそ引き立つ四季の移ろいの美しさが感じられるこの作品。そんなカラフルな魅力を実感いただけるキラキラとした演奏に、大盛況の前半終了です!

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後半はボロディンの交響曲第2番。第1楽章の荘厳な主題から濃厚な後半スタートです。
民族音楽風のリズムや、どこか郷愁のある旋律など、ロシア音楽の魅力がこれでもか!と詰まったこの作品。

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オーケストラとはもちろん、会場とも会話をするかのように音を紡いでいくラザレフさん。
ラザレフさんのタクトに導かれて、京響も、会場のお客様も一緒になって壮大な交響曲の世界が広がっていきます。

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ダイナミックな第4楽章終了とともに会場からは割れんばかりの拍手とブラボーが!

なかなか取り上げられる機会の少ないプログラムでしたが、京響メンバーも、会場も、巨匠ラザレフさんの魅力に取りつかれ、これぞ!というロシア音楽の魅力を存分に堪能できる演奏会となりました。

ご来場くださいましたみなさま、誠にありがとうございました。

さて、そんな京響、次回の自主公演は

京響プレミアム 岸田繁「交響曲第2番」初演

2016年にお贈りした岸田繁さんの「交響曲第1番」に次ぐ新作「交響曲第2番」
ぜひ、みなさま新しい音楽の生まれる場に立ち会ってみませんか?
たくさんのみなさまのご来場お待ちしております!

2018年12月2日(日)16:00開演
京都コンサートホール・大ホール
広上 淳一(常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー)
岸田 繁(作曲)
曲目 岸田繁:交響曲第2番 ほか