1997年5月に創立40周年記念事業を締めくくる特別事業として井上道義指揮のもとヨーロッパ公演を行い、プラハの春音楽祭、ギリシアのテッサロニキでの EUジャパン・フェストへの出演を含め、クラクフ、ウィーン、ザグレブでブラームス、ショスタコーヴィチ、武満徹の作品を中心に全5公演を実施し、各国で高い評価を得た。
1998年、ウーヴェ・ムントが第10代常任指揮者に就任。1999年から2001年にかけてシベリウス、スメタナ、バルトーク、マーラーの作品を録音し、ドイツのアルテ・ノヴァ社から世界に向けてコンパクトディスクを発売した。
2003年度から、京響は第11代常任指揮者の大友直人とともに、西日本で初めての子どもを対象とした定期的な演奏会「こどものためのコンサート」に新たに取り組み、大好評を博す。
2004年度からは、毎年地域の文化会館等を巡回演奏する「みんなのコンサート」にテーマ性を持たせてリニューアルするなど、より幅広い聴衆へ音楽の素晴らしさを伝えていくことに努め、2006年度には創立50周年を祝い、シェーンベルク「グレの歌」京都初演、国内7都市へのコンサート・ツアー、「おでかけコンサート」などで成功をおさめた。2007年1月「第25回京都府文化賞特別功労賞」受賞、同9月には京都のイメージ向上に貢献したことで「京都創造者大賞2007・京都創造者賞(アート・文化部門)」を受賞。
2008年4月、第12代常任指揮者に広上淳一、初の桂冠指揮者に大友直人が就任し、2009年からは「スプリング・コンサート」や「オーケストラ・ディスカバリー」など新企画で注目を集める。
2014年4月、指揮者体制を一新し、第12代常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザーに広上淳一、常任首席客演指揮者に高関健、常任客演指揮者に下野竜也が就任。
2015年2月、「第27回ミュージック・ペンクラブ音楽賞」のクラシック部門における「オペラ・オーケストラ部門賞」を、また2015年4月、広上淳一とともに「第46回サントリー音楽賞」を受賞。
録音では、広上淳一指揮による定期演奏会のライブ録音「名曲ライブシリーズ」CD第1弾を2010年11月、第2弾を2012年2月、第3弾を2013年9月に発売。
2015年6月には、2016年の創立60周年を記念して、広上淳一の指揮のもと、1997年以来18年ぶりのヨーロッパ公演をプルゼニ(チェコ/プルゼニ市公会堂)、ケルン(ドイツ/ケルン・フィルハーモニー)、アムステルダム(オランダ/コンセルトヘボウ)、フィレンツェ(イタリア/オペラ・ディ・フィレンツェ)の4都市で開催して大きな成功を収めた。
2016年は創立60周年を記念して国内ツアー6公演と京都市内各所で「ふらっとコンサート」全10回を開催し、平成28年度地域文化功労者表彰を受ける。
2017年1月「第37回(2016年度)音楽クリティック・クラブ賞」本賞、同年3月には、2016年12月開催「創立60周年記念特別演奏会」におけるシュトックハウゼン:3つのオーケストラのための「グルッペン」(指揮:広上淳一、高関健、下野竜也)ほかの演奏が高く評価されて「第29回ミュージック・ペンクラブ音楽賞」クラシック部門「現代音楽部門賞」を受賞。2017年4月から下野竜也を常任首席客演指揮者に据えて、常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー広上淳一、常任首席客演指揮者・高関健及び下野竜也による強靭な3人指揮者体制を確立。
2020年4月から第13代常任指揮者兼芸術顧問に広上淳一(2022年3月まで)、首席客演指揮者にジョン・アクセルロッド(2023年3月まで)が就任。2008年4月から2022年3月まで14 年間にわたり常任指揮者を務めた広上淳一のもとでは、数々の名演を生み出して黄金時代を築き上げた。
現在、沖澤のどかが第14代常任指揮者を務め(2023年4月から)、2024年4月からは首席客演指揮者にヤン・ヴィレム・デ・フリーントが就任。京響は今、新たなステージへ向けて、名実ともに文化芸術都市・京都にふさわしい「世界に誇れるオーケストラ」として更なる前進を図っている。